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労働相談Q&A 社会保険・年休・健康・労災 Q21〜Q29
Q21 経営者を含めて4人の事業所に就職しましたが、社会保険に入っていないといわれました。先輩達は国民健康保険と国民年金に入っています。社会保険に入りたいのですが・・・
Q22 会社を退職したのですが、雇用保険に入っていないといわれ、困っています。なんとか雇用保険をもらう方法はないでしょうか・・・
Q23 年休を申請しても経営者が理由を聞いたり、いやみをいうので、ほとんどの人がとっていません。年休というのは、前もって届けなければならならいのでしょうか・・・
Q24 経営者が「パートには有給休暇がない」というので、一日もとったことがありません。本当にパートに有給休暇はないのですか・・・
Q25 いまの職場を退職しょうと思っています。退職前に、まとめて有給休暇をとりたいのですが・・・
Q26 妊娠しても通院休暇がないために有給休暇をとって病院に行っています。あと数ヶ月でなくなってしまいます。どうしたら有給の通院休暇や通勤緩和、生理休暇をとれるか・・・
Q27 28年間勤めているが、1度も健康診断を受けていません。こんなことは許されるのでしようか・・・
Q28 職場の同僚が自宅で自殺。仕事で悩んでいて精神的に不安定になり、毎日薬を飲みながら勤務していた。会社は、「労災申請をしない」といっています。労災申請するには?・・・
Q29 作業中に親指を切断しましたが、会社は「個人の不注意だ」といって労災認定を拒ねでいます。給料・治療代は払うというが、それ以外の慰謝料は請求できるでしょうか?・・・
 

[Q21] 経営者を含めて4人の事業所に就職しましたが、社会保険に入っていないといわれました。先輩達は国民健康保険と国民年金に入っています。社会保険に入りたいのですが・・・
[A21]  社会保険(健康保険、厚生年金)は株式会社や有限会社などすべての法人事業所では強制適用になっており、使用する従業口貝の数に関係なく加入しなければなりません。個人事業所でも、農林・水産業、サービス業、理容・美容の事業、映画・演劇などの事業をのぞき、常時5人以上の従業員を使用する事業所は強制通用です。 常時5人未満の個人経営の事業所やサービス業などの個人事業所は任意加入事業所となり、半数以上の従業員の同意にもとづいて事業主が申請し、厚生大臣の認可をうけて加入することができます。
社会保険に入れない人は国民健康保険(国保)に加入することになりますが、医療給付のさい、国保は3割・健康保険は2割の自己負担ですから、健康保険が有利です。病気休業の場合も、健康保険には傷病手当金(賃金の60%)の給付がありますが、国保にはありません。健康保険なら産前産後の出産手当金(賃金の60%を給付)があります。厚生年金の支給額は平均で月額20万円近いのですが、国民年金だと40年掛けても7万円程度です。年金は掛けた年数によって金額が計算されるので、掛けた年数が少ないほど支給額も少なくなります。
国保・国民年金の保険料は全額自己負担ですが、社会保険の保険料の2分の1は事業主負担です。事業主にとっては人件費が増えるのでいやがるケースがありますが、労働者の「安心」を考えるのは使用者としての義務であり、加入を促進することが必要です。
あなたの職場の場合、法人事業所なら強制適用となりますが、個人事業の場合は任意適用なので、経営者も含めてよく話し合い、加入するようにしたらどうでしょうか。
 
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[Q22] 会社を退職したのですが、雇用保険に入っていないといわれ、困っています。なんとか雇用保険をもらう方法はないでしょうか・・・
[A22]  雇用保険は全面通用(強制通用)です。農林水産業で労働者が5人未満の個人事業所などをのぞき、業種や規模に関わらず、1人でも労働者を雇っている場合は加入しなければなりません。雇用保険末加入の場合、労働者の責任ではありません。あなたの場合、さかのぼって加入して資格を取得し、失業給付を受けることができます。さかのぼれるのは最大2年間です。
失業手当は、被保険者であった期間に応じて給付期間が決められています。被保険者の期間が1年以上(倒産・解雇の場合は6ヶ月以上)90日〜(最大20年被保険期間)240日となっているので、年齢によっては1年以上さかのぼっての資格取得にしないと給付日数が短くなってしまいます。
事業主に対して「さかのぼり加入」の手続きを要求することが必要ですが、事業主が応じないときは、直接公共職業安定所(ハローワーク)に行き、雇用関係があったことを証明できる資料を添えて給付申請することができます。この場合、職安が事業所に加入手続きと保険料支払いの催促をすることになります。保険料は事業主負担分と労働者負担分があるので、失業した本人は事業所からの請求にもとづいて本人負担分を払えばよいのです。
失業給付は原則として離職した日の翌日から1年間に限られています。所定の給付日数が残っていても1年間を過ぎると受給できなくなるので、急いで手続きをしたほうがよいでしょう。なお、病気や出産、育児などで就職できない場合、その期間は給付されませんが、手続きをしておけば受給期間がそのぶん延長されます。
 
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[Q23] 年休を申請しても経営者が理由を聞いたり、いやみをいうので、ほとんどの人がとっていません。年休というのは、前もって届けなければならならいのでしょうか・・・
[A23]  まず年次有給休暇の制度は、労働者が人間らしく働くための重要な権利の1つであることをはっきりさせましょう。一定期間を働きつづけた労働者(労基法39条では「6ヶ月間継続勤務した労働者」)に対して、希望する時季に希望する長さの休暇を有給であたえ、人間らしい生活を確保するとともに、心身ともに新しい活力を生みだすことを保障しているのです。ですから、労働者が休暇をとりたい日を指定して請求すればよく、使用者の承認とか許可が必要というものではありません。ましてや理由を示さなければ認めないなどというのはとんでもありません。
労働基準法では、「使用者の時季変更権」、「事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にあたえることができる」と定めていますが、労働者が有給休暇を取得することを見込んだ人員配置計画なしに使用者が時季変更権を行使することは許されていません。
Mタクシー会社では、正月やお盆の繁忙期には年休を認めないとしていましたが、労働組合が権利の濫用であると抗議してやめさせました。「事業の正常な運営」とは、「工場」「支店・支社」「営業所」というように広く事業全体の正常な運営が妨げられることを意味しているのであり、たんに業務が忙しいとか職場の業務にさしさわりがあるとかの理由では許されないことはいくつもの判例で明らかになっています。
年休をどのように使うかはまったく労働者の自由であり、使用者が干渉することは許されません。よく年休の請求用紙に取得理由を書く欄があったりしますが、法的根拠はなく、有給休暇自由利用の原則に反しますので、廃止するようにたたかいましょう。
日本の年休の取得率の低さはきわだっています。法制度があっても、仕事が忙しくてとれない、休むとまわりに迷惑をかけるなど、取りたくてもとれない職場実態が反映されています。みんなと話し合い、年休を自由にとれる職場にしていくとりくみが大切です。
 
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[Q24] 経営者が「パートには有給休暇がない」というので、一日もとったことがありません。本当にパートに有給休暇はないのですか・・・
[A24]  どんな身分の労働者でも、決められた労働日の8割を出勤していれば有給休暇が労基法39条にもとづいて付与されます。1999年4月の労働基準法改正で、6ヶ月以上働くパート労働者にも付与されることになりました。とくに、1週間びっしり働かなくても付与されることになりました(82ページの表)。また、1年契約更新が形式的に数日間の空白をつくつて契約している場合でも、継続契約としてみなされ、雇用年数に加算されます。
1年間で有給休暇を使用しないで残った場合、次年度に繰り越されます。これは、労基法115条で「時効は2年間」と定められているからです。
 
あなたがとれる年次有給休暇日数
 
週所定
労働時間
週所定
労働日数
1年間の
所定
労働日数
勤続年数(これまでの勤続年数も通算されます)
6ヵ月
1年
6ヵ月
2年
6ヵ月
3年
6ヵ月
4年
6ヵ月
5年
6ヵ月
6年
6ヵ月
以上
30時間以上
10日
11日
12日
14日
16日
18日
20日
30時間
未満
5日以上
217日以上
4日
169〜216日
7日
8日
9日
10日
12日
13日
15日
3日
121〜168日
5日
6日
6日
8日
9日
10日
11日
2日
73〜120日
3日
4日
4日
5日
6日
6日
7日
1日
48〜72日
1日
2日
2日
2日
3日
3日
3日
 
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[Q25] いまの職場を退職しょうと思っています。退職前に、まとめて有給休暇をとりたいのですが・・・
[A25]  どこの職場でもリストラ攻撃が吹き荒れていて、在職中にはなかなか有給休暇がとれないので、退職時にまとめてとるケースがたいへん多くなっています。消化できない有給休暇を使用者が一定の対価を支払って買いあげるような労使間の合意は、労働基準法に違反し、また権利を売り買いするものとして無効ですから、「退職時にリフレッシュ」という意味でまとめて消化することは当然ありうることです。
「Q3」でのべたパート労働者の解雇反対闘争では、会社が労働基準法の解釈をあやまって有給休暇を少なく付与していたことがたたかいの過程で明らかになりました。組合員のなかには、解雇通告を受けて退職を決めている仲間もいたので、会社に有給休暇の新たな付与を認めさせました(ただし金銭で解決しました)。
 
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[Q26] 妊娠しても通院休暇がないために有給休暇をとって病院に行っています。あと数ヶ月でなくなってしまいます。どうしたら有給の通院休暇や通勤緩和、生理休暇をとれるか・・・
[A26]  女性の場合、妊娠・出産・育児しながら働きつづけられるためにさまざまな保護措置があります。97年の労基法改悪によって時間外・休日労働や深夜労働の規制が廃止されるなど母性保護の規定が縮小されてきていますが、それでも私たちの運動によって改善させている面もあります。
妊産婦の保健指導や健康審査のために時間内に病院に行くことは、申請すれば経営者はそれを認める義務を負っています(雇用機会均等法22条・23条)。受診すべき回数は、23週までが4週間に1回、25週から35週までは2週間に1回、36週から出産までは1週間に1回を最低の基準にして通院休暇を与えなければなりません。それに必要な時間とは、待ち時間、往復の時間も含みます。通院する日や病院などは本人の希望によりますが、申請は原則として事前におこなう必要があります。
通院休暇中の賃金は、働く立場からは有給扱いが望ましいわけですが、必ずしも有給にしなければならないという法律上の規定はありません。職場のとりくみで、就業規則に有給扱いを明記させたいものです。ただし、慣例的に有給としていた実績があれば、当然、同等の取り級いをしなければなりません。
通勤緩和は、妊婦の通勤時の苦痛・負担を緩和し、流産や早産を防止するための制度です。
妊婦が電車通勤などのラッシュアワーによる苦痛や流産・早産などを避けるために、医師などから通勤緩和の指導を受けたことを申請すれば、事業主は時差出勤、勤務時間の短縮措置を講じなければなりません。標準的な内容としては、始業時間および終業時間に各々30分〜60分の時間差を設けることが想定されています。
生理休暇は、労基法68条で「生理日の就労が著しく困難」な場合は取得することができるとされており、診断書も必要なく、「生理休暇で休みます」といえばよいのです。生理は病気ではありませんから、病休扱いもされませんし、必要な日数をとることができます。
 
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[Q27] 28年間勤めているが、1度も健康診断を受けていません。こんなことは許されるのでしようか・・・
[A27]  28年間も勤めて1度も健康診断を受けていないなんて信じられないような話ですね。本当なら大問題です。労働安全衛生法66条は、「事業者は、常時使用する労働者に対し…医師による健康診断を行なわなければならない」と規定しており、その費用は全額使用者が負担しなければなりません。パートについても、「パート労働法」で、通常の労働者と同じように健康診断を実施することになっています。
健康診断の種類には雇い入れ時の健康診断、定期健康診断(1年に1回)、特殊健康診断(危険有害作業従事者)、特定業務従事者健康診断があり、その実施を事業者に義務づけています。またVDT検診のように、通達による検診(指導勧奨検診)もあります。
特定業務とは、いちじるしく暑熱・寒冷な場所での業務、粉塵・振動・重量物取扱い業務、深夜業をおこなう業務のことをいいます(労働安全衛生規則13条)。危険有害物には有機溶剤、特定化学物質、鉱物性粉じん、電離放射線、高気圧(潜水)業務などがあります。
 
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[Q28] 職場の同僚が自宅で自殺。仕事で悩んでいて精神的に不安定になり、毎日薬を飲みながら勤務していた。会社は、「労災申請をしない」といっています。労災申請するには?・・・
[A28]  労災保険制度は、労働者が仕事中や仕事が原因で負傷、疾病、死亡するなどの労働災害にあった労働者を保護するために国が補償する制度です。労災保険は、雇用期間や雇用形態に関係なく、事業主に使用され賃金を支払われている者であればすべて対象になります。労災保険は、業務災害と通勤災害を補償の対象にした保険制度であり、保険者である国が保険給付の対象となるか否かについて決定します。
しかし、現実には、社内でおきた業務災害であっても、会社がそれを認めようとしなかったり、軽度の事故の場合には、健康保険で治療するように強制する場合があります。また、労働者自身も労災制度にくわしくないことから、会社任せにしてうやむやな処理をされてしまうケースもあります。
労災保険の給付を受ける権利は、被災労働者の固有の権利です。請求権も被災労働者(または遺族)にあり、会社や使用者が決めるものではないのです。治療や補償をきちんと受けるためには、医師選択の自由を行使し、信頼できる医師の診断と治療を受けること、医療機関をつうじて療養給付請求書または休業補償給付請求書、業務上認定請求書を労働基準監督署に提出すること――などが必要です。
労災保険の申請手続きは、労働基準監督署にある労災保険請求書に災害の原因と発生状況などを書いて、医者と使用者の証明をもらい、労働基準監督署に出します。使用者が証明をくれなかったり、会社がつぶれて証明がもらえない場合でも、証明なしで請求書は出せます。労働基準監督署が職権で調査して労災と認めれば、給付を受けることができます。時間がたつと証明がむずかしくなりますから、できるだけ早く手続きすることが肝心です。
近年、リストラ「合理化」や過密労働の強まり、成績主義管理の導入などによって増えているのが自殺過労死です。大手広告代理店・電通社員の過労自殺事件では最高裁勝利判決が出されるなど自殺過労死も認定されるようになってきました。あなたの職場の仲間についても、ぜひみんなの力で労災申請されるようにしてください。労災保険の給付の種類は82ページの表のとおりです。
 
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[Q29] 作業中に親指を切断しましたが、会社は「個人の不注意だ」といって労災認定を拒ねでいます。給料・治療代は払うというが、それ以外の慰謝料は請求できるでしょうか?・・・
[A29]  労災保険を請求し給付を受ける権利は労働者(遺族)にあり、労災の認定および給付の決定権は労働基準監督署長にあります。業務上の労災を申請し、その決定に不服がある場合は、審査請求の制度があります。
労災保険の申請手続きは、「Q28」の場合と同じ方法です。
労災保険法にもとづいて、労働災害を認定させるためには、「…業務上の事由による負傷・疾病・障害または死亡…」という事実が、「業務が起因となって何等かの事故(事情)がおき、その事故が原因となった負傷や疾病障害や死亡」あることを証明することが必要です(業務起因性)。なお、業務に起因しているということは、その前提条件として、労働契約にもとづいて事業主の支配下で業務に従事していたことが具体的な事実として存在しなければなりません(業務遂行性)。つまり、業務上の労働災害であることを証明するためには、この2つの要件(業務起因性と業務遂行性)が必要になります。
「仕事中に親指を切断した」ということは、以上の2つの要件に照らしてあきらかに業務上の災害であり、労災の対象になります。問題は、経営者が労災事故を認めたがらないということですが、医者の証明書だけでも労災の請求は可能です。労基署が認定しなければ、再審査の請求ができますし、裁判に訴えることもできます。
労基署が労災の認定をしない場合であっても、会社が給料と治療代を払えば済むというようなものではありません。「指の切断」ということは障害者になるということであり、当然、後遺症の補償としての慰謝料も請求できます。
いずれにしても信頼できる医者や弁護士、あるいは全国にある「労働安全センター」などに相談し、アドバイスしてもらうことが必要です。
 
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解雇・退職強要賃金未払い・サービス残業労働条件をめぐって配転・出向|社会保険・年休・労災|業績主義・過密労働
 
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